ネコマル
ろくみん
単位の判定が決まったらもう変更できないので、もし悪い成績を取ったらずっと足を引っ張ることになりますよね?
でもそんな不安も学部を卒業するまでです。結論から言いますと、大学院では学部時代のGPAはほとんど意味ありません。
これは私一人の意見だけでなく、旧帝大や地方国立の大学院卒の友人に話を聴いた上で判断しているのでかなり信憑性は高いと思われます。
そんなわけで、今回は元院生として大学院では学部時代のGPAがほとんど意味をなさない理由について紹介していきます。
- 学部の成績が低くて不安な人
- 大学院に進学する予定の人
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GPAとは?
話の本題に入る前に、GPAについておさらいしておきましょう。
GPAとは「Grade Point Average 」の略で、要は取得した単位の成績の平均値の事です。
単位の成績は段階で分けられており、成績に応じた点数(Grade Point )が与えられます。
Grade pointの付与例
このような表を基に全ての獲得点数を合計し、単位数で割った値がGPAとなります。
計算の一例
このGPAですがおおよそGPA2.0~2.5程度が一般的な学力で、一番人数の多いボリュームゾーンとなります。

ただこの計算方式や成績の評価基準は学校によって違うことも多々あります。
なのでHPや先輩の話などを参考にして、自分の学校の成績評価がどうなっているのかよく確認しましておきましょう。
大学院でGPAがあんまり意味ない理由
さて、GPAについておさらいしたところで早速「大学院でのGPAの扱い」について紹介していきたいと思います。
ぶっちゃけ大学院に入ったら、GPAを使う場面が無さすぎて驚きますよ。
あぁGPAなんてものあったな…ってなります。
ろくみん
GPAは奨学金貸与基準の最重要項目ではない
GPAが高かったら、大学院の奨学金も取りやすいんだ!
もちろん成績もみるけど、意外とそんな単純じゃないんですよ?
ハッキリ言って私は「大学院の奨学金がもらえるかどうかは、成績で決まっていない」と思ってます。
根拠は情報収集による分析と元院生としての経験です。
ここでまずみて欲しいのが、日本学生支援機構が定める奨学金の申請基準です。
実は大学院生が一種の奨学金を申請する際に見られる基準は、一つだけなんですよね。
大学等・大学院における成績が特に優れ、将来、研究能力または高度の専門性を要する職業等に必要な高度の能力を備えて活動することができると認められること。
ネコマル
ろくみん
というのも成績が悪くても奨学金の申請が通っている人がいるから。
色々な情報をまとめてみると、このような傾向がありました。
- 成績の低い人でも奨学金の申請が通っている
- 通っている人の共通点は「一人暮らし」
これは私が大学にいたころに感じていた感覚ととても近いです。
成績が高いのに二種の奨学金になってしまう人もいれば、成績が低くても一種に通る人もいます。
これらを考えると、一番見ているのは「家庭の経済状況」だと思われます。
それもそうですよね。
お金がある人に渡すほど、奨学金の余裕もありません。
それで次に見ているのが「将来の可能性」だと思っています。
奨学金もやはりローンの一種ですから、
将来ちゃんとお金を稼ぐ可能性のある人
を優先的に選ぶと思いませんか?
もし私がお金を貸す立場なら、少しでもお金を返してくれそうな人に貸します。
でも将来の可能性を判断するのは難しいので「上位の大学に通う学生」から優先的に選んでいるのでは?と考えています。
ろくみん
学歴に比例して将来の年収も高くなることは既に知られているので、この方法が一番合理的かなと。
私の周りの旧帝大の友人達に聞いても、
ともだち
と言っていました。
なので、上位の大学から選んでいてもおかしくないと思っています。
そこまで見て、最後に確認するのが「学校の成績」だと思っています。
というのも、実際に成績が低い人でも奨学金に通ったという事例があるので、この項目の優先度はかなり低いと推測できるためです。
よく考えてみれば大学ごとにGPAや成績評価の基準が違うので、優先度が低くなるのも当然なのかもしれません。
これらをまとめると、審査する際に見るのは
家庭の経済状況
学生の将来性(学歴)
~超えられない壁~
学校の成績
というような形になるのではないでしょうか。
推測の部分も多いですが、実際の事例や周囲の意見を参考にしているため、大きく外れていないのかなと思っています。
いずれにしても「奨学金申請に成績が最重要」という事はなさそうなので、GPAは特に気にしなくて良いでしょう。
就活時に企業は成績をたいして見ていない
もう一つ気になるのはやはり「就活」の時でしょう。
大学院生は就活の際、学部と大学院の両方の成績表を提出することになります。
ネコマル
ろくみん
成績を見て知りたいのって、本質的には「その人がちゃんと物事をやり遂げられるか」といった能力ですよね。
でも大学院生って学部の単位をちゃんと取って、卒業までやり遂げているわけです。
大学院生って優秀じゃないですか!?
実際、私が就活した際には20社ほど受けましたが、成績に関して質問を受けたことはありませんでした。
ネコマル
ろくみん
さすがに、留年は理由を聞かれることもあるらしいですが、ちゃんと答えられれば問題なしです。
留年経験のある友人も、聞けば大半の人が知っている一部上場企業にバッチリと就職していました。
なので今更、学部時代の成績なんてたいして見てません。
必須科目の実験などでC評価とか取ってても面接では何も言われませんでした。
大学院の成績も提出しますが、基本的に全員がA評価なので優劣もつきません。
そうなるとやはり、大学院で普通に就活する場合にはGPAは見られないという認識で大丈夫でしょう。
大切なのは個人の能力・ポテンシャル
じゃあ成績以外で何を見てるのか……それは学生個人です。
理系大学院の卒業生は「設計開発」や「研究」といった職種を希望する人がとても多いです。
実際にこれから大学院に進学する予定の人も、このような職種を狙って進学する人もいるのではないでしょうか。
こういった職種では、学部の就活で重要視される以下の項目
- 企業とのマッチング度合い
- 入社意欲
- コミュニケーション能力
- 事業内容の理解
- 将来のビジョン
と追加して、技術面接では以下の三つの項目が特に確認されます。
- スキル・専門性
- 論理的思考力
- 職種への適正
技術面接は主に一次面接通過後に行われるのが一般的です。
これらの能力は「研究者・技術者としての能力」であり、答えのない研究という活動を通して培われていくものです。
それに対して成績(GPA)で分かるのは「勉強ができる力」であり、答えが分かっているものを理解する力です。
研究と勉強はちょっと違いますよね?
成績が良くても研究者としてはダメダメなこともあれば、追試常連の人が研究で成果をバンバン出すなんてことはよく起こります。
開発や研究の仕事で企業が欲しがるのは後者の人材です。
となると、学部の成績ってほぼ見ませんよね??
だって企業は勉強ができる人が欲しいわけじゃないんですから。
なのでGPAを気にしてるくらいなら、大学院で研究を一生懸命やって成長する方が絶対いいです。
ろくみん
学部時代のGPAが大切になる場面
ここまで大学院でGPAがいらない理由について書いてきましたが、実は人によって必要になる場面が一つだけあります。
それが企業からの推薦を取るときです。
企業からの推薦は成績順で決まることもある
私の大学はいわゆる地方国立大学でしたが、企業からの推薦は以下のように決まっていました。
- 期日までに希望する企業の推薦に応募
- 被らなければ決定、被ったら話し合い
- それでも決まらなければ、学部の成績が良い学生を優先
ろくみん
ここで大学院の成績を見ないのは、大学院の成績だと差がつかないからです。
大学院に行くと急に講義の評価基準が下がって、適当にやっててもA評価がついてしまうんですよね。

なので推薦を取る場合は成績を見るのことになるですが、実際は使う機会はかなり少ないと思われます。
理由は以下の二つです
- 成績勝負になる機会が少ない
- 学校によっては成績順で決まらない
成績勝負になる機会が少ない
学部の成績で勝負するのは、推薦を希望して、希望者がかぶって、その上で話し合いがもつれ込んだ場合です。
そもそも行きたい企業から推薦が来ているとは限りませんし、希望者が被るのも100%起こることではありません。
また企業によっては推薦枠を設けていないところもありますし、希望者が多いと増枠してくれるケースもあります。
私の学校でも、成績勝負までもつれ込んだのは年に数件だけだったはずです。
なので成績勝負するまで、もつれ込むのはあまり多くないと言えるでしょう。
学校によっては成績順で決まらない
大学によって企業からの推薦の取り扱いが微妙に異なります。
他の大学院のでは、このような段取りになっているところもあるようです。
- 期日までに希望する企業の推薦に応募
- 被らなければ決まり、被ったら枠を増やす or 全員取る
ろくみん
なので推薦を利用したいと考えている人だけ、進学予定の大学院がどのような方法を用いているのか調査しておきましょう。
そこで学部の成績が必要だ!となった場合のみ心配すればOKです。
まとめ
今回の内容を簡単にまとめてみました。
- 奨学金はGPAそんなに関係ない
- 院卒の就活で大切なのは成績ではなく個人の能力
- 学校によってはGPAで推薦が取れるか決まることもある
学部の成績が悪くて不安になっている人も特に心配しなくて大丈夫です。
それよりも自分の能力を伸ばしていく事に集中して、大学院生活を過ごしていきましょう。
それでは!
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