こんにちは、元院生のろくみん(@rokumin_blog)です。
これから大学院に進学するにあたって、「大学院でもちゃんとやっていけるかな…」と不安になったりしてませんか?
でもこれってしょうがないんですよね。
だって、学部生の間って大学院の事を知る機会が少ないんですもの。
事実、私も学部時代に気になって色々調べたのですが、詳しく解説してくれている記事が当時はあまりありませんでした。
なので今回は元大学院生としての経験を踏まえて、大学院の授業について解説していきたいと思います。
大学院の授業について
(単位数・形式・内容・難易度)
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卒業に必要な単位数・要件
大学院の卒業要件は国が設置基準として明確に決めています。
(修士課程の修了要件)
第十六条 修士課程の修了の要件は、大学院に二年(二年以外の標準修業年限を定める研究科、専攻又は学生の履修上の区分にあつては、当該標準修業年限)以上在学し、三十単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上、当該修士課程の目的に応じ、当該大学院の行う修士論文又は特定の課題についての研究の成果の審査及び試験に合格することとする。ただし、在学期間に関しては、優れた業績を上げた者については、大学院に一年以上在学すれば足りるものとする。
引用 : 大学院設置基準
http://www.kyoto-u.ac.jp/uni_int/kitei/reiki_honbun/w002RG00000950.html
ちょっと読みづらいですが、要約するとこんな感じです。
- 二年間で30単位以上取得すること
- 修士論文を提出すること
ここで注意してほしいのが、30単位以上という点です。
以下に各大学をピックアップして卒業に必要な単位数をまとめてみました。
このように多くの大学院では30単位あれば卒業できるのですが、中にはそれ以上必要になるケースもあります。
なので注意したいのが、友達からの情報を鵜呑みにしてしまうパターン。
卒業要件は専攻やコースによっても変わってくるので、他の専攻にいる友人からの情報を信じていると

なんてこともあり得ます。
なので自分の所属する学科が卒業に何単位必要なのか、自分で事前に調べるようにしましょう。

授業の形式
大学での授業形式は、主に以下の6つに分類することが出来ます。
- 講義
- 演習
- 実験
- フィールドワーク
- ゼミ(ゼミナール)
- グループディスカッション
これだけ色々ありますが、私の居た大学院での授業はほぼ講義形式のみでした。
講義形式は最もオーソドックスな形式なので、大学生なら必ず受けたことがあると思います。
講義の様子
教授が話しているのを聞くことが中心で、めっちゃ眠くなるやつですね。
ここで一つ注意しなければいけないのが、大学院では学生が少なくなっているので、先生に指される確率が高いという事です。
最後にはレポートやテストが待っているので、頑張ってノートを取ると後々楽が出来ます。

また、同じ講義形式でも大学院では集中講義なる授業がとても増えます。
普通の講義は1コマ90分ですが、集中講義では5コマ連続で丸一日講義したりします。本来二か月ほどかけて毎週行うものを、ギュッと一日にまとめてやってしまうイメージですね。
大学院生の本業は研究なので、講義に時間を取られすぎないようこのような措置を取っているのだと思われます。
毎週チマチマ講義を受けに行く必要もありませんし、一日でサクッと単位がもらえるのでめっちゃ楽です。
最後に感想レポートを書くだけといったものもあるので、積極的に集中講義を取る事をオススメします。
評価基準
大学院の授業ではほとんど最後のレポートやテストの評価のみで成績が決まっていました。
学部時代は欠席や遅刻が評価に大きく影響する印象でした。
それに対して大学院では、学会や就活で休みを貰えたり、欠席や遅刻に対するペナルティがほとんどなく、かなりゆる~い感じの授業が大半でした。
しかも、唯一の評価基準であるテストやレポートもほとんど過去問と同じ内容だったので特に苦労した覚えがありません。
なので研究室の先輩や友人から過去問などを入手すれば、その時点で8割方勝ったようなものです。

難易度 : 単位を取るのが簡単な三つの理由
大学院では単位を取るのが難しいと思われがちですが、そもそも出席点や小テストなどがあまり考慮されないため、ぶっちゃけ単位は簡単に取れます。
また、その他にも理由は三つあります。
- 大学院生の本業は研究
- 授業以外でもらえる単位がある
- 学部生でも大学院の授業を先取り出来る
それぞれ解説していきます。
大学院生の本業は研究
大学院生のメインの仕事は研究することです。
それは大学の教授も重々承知のようで、授業が学生の大きな負担にならないように配慮してくれている印象でした。
そういった影響もあり、たいていの授業はある程度出来ていれば単位を認定してくれる新設設計。
しかも全員がほぼA評価で、成績の良し悪しも特にありません。
なので、今までずっと付きまとっていたGPAといった指標とも簡単におさらば出来てしまいます。


授業以外でもらえる単位
大学院では卒業に30単位必要ですが、何も授業を受けて取る必要もありません。
単位として認定されるものはいくつか種類があり、これらを総合して30単位集めればOKです。
- 授業
- 修士論文研究(必須 : 12単位ほど)
- 学会発表
- ティーチングアシスタント(TA)
- インターンシップ
修士論文の研究をしている時点で12単位ほど貰えるので、その他の項目で残りの18単位を賄えばいい計算になります。
それぞれ貰える単位数は違っており、私の大学院では以下のようになっていました。
ここでは授業や研究は半年行った場合の単位数を記入しています。
なので大学院の二年間研究すると3×4で12単位もらえる計算になりますね。
学会発表やティーチングアシスタントをすると1単位もらえるのですが、これがまた中途半端で使いづらいです。
卒業に必要なのは30単位で偶数なので、1単位のものは合わせて2単位にすると効率的です。
実際私は修士一年の春にティーチングアシスタントへ任命されたため、夏にインターンシップへ参加することで合わせて2単位にしていました。

学部生での大学院の授業を先取りできる
大学院生になると修士論文や就活で忙しくなるのが分かり切っているので、早めに面倒な授業は終わらせて単位を取っておきたいですよね?
それは大学側も思っているらしく、なんと学部四年の時点で大学院の授業を受けることが出来ちゃいます。
この制度のおかげで、私も修士1年の夏には必要な単位を全て取り終え、就活に集中することが出来ました。
今では第一希望の会社に入社して楽しく働いています。
ただもちろん、ちょっとした制限もありました。
- 同じ大学院に進学する予定の人のみ
- 先取りできる単位は10単位まで
ただメリットこそあれ、デメリットは特に無いので積極的に利用した制度ですね。

大学院って意外と楽なんじゃない?
ここまで単位は簡単に取れるよ!という話をしていると、大学院って楽なんじゃ?と思うのではないでしょうか。
でも何か忘れてません?
そう、大学院にはもう一つの卒業要件…修士論文の提出があるのです。
これは私の主観ですが、30単位取得する難易度を1としたら、修士論文の提出は100以上です。

この修士論文を仕上げるために、大学院生は日夜戦っています。
それこそ授業が邪魔でしょうがないほどに。
具体的な大学院生の生活についてはこの記事では紹介しませんが、気になる方はこちらの記事をどうぞご覧ください。

まとめ
いかがだったでしょうか。
少し忘れていることもあると思いますので、ざっくりとこの記事の内容をまとめてみました。
- 二年間で30単位以上取ればよい
- 授業はほとんどが講義形式
- 評価は最後のテストやレポートのみで決まる場合が多い
- 単位を取るのは難しくない
- 授業は前座、ラスボスは修士論文の提出
大学院では普段実験ばかりで忙しいので、私の場合もはや授業が休憩時間のようになってました。
そのくらい気軽なものなので、授業に関しては特に心配しなくても大丈夫でしょう。
もちろん単位が足りなくて卒業前に焦る人も一定数いるので、気を抜きすぎてもよくないんですけどね。
それでは良い大学生活を!
ろくみんでした~
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