ネコマル
ろくみん
こんにちは、元大学院生のろくみんです。
研究室配属を控えた学部三年生の大半はこう思うのではないでしょうか。
先輩や同級生に聞いても、イマイチしっくりこない。それはそうです。研究室の選び方って人によって全然違うのですから。
この記事ではいくつかの質問から、自分にあった研究室の選び方が分かるようになっております。自分がどのパターンなのか把握して、研究室選びを成功させましょう!
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研究室を選ぶ際にチェックすべきポイント
研究室を選ぶ際には色々考えるべきことがあります。
ろくみん
研究室選びのチェックポイント
- 自分の興味
- HPの更新
- コアタイム
- 研究資金と研究設備
- 研究実績
- 就職実績がテーマとの関係
- 教授の人柄
- 博士・ポスドクの有無
- グループの人間関係
- 卒業生の進路
- 友人が行くから
- ゼミの頻度と比重
- 就活・院試験勉強が出来るか
ネコマル
これだけ考えるべきことがあれば、迷うのも当然です。
ですので、もっと分かりやすいように「人」「環境」「キャリア」の三つの軸で分類してみましょう。
こうした三つの大きな分類を頭に入れておくと、混乱しなくて済みますのでオススメです!
ではそれぞれの項目について紹介していきます。
項目が多いので、サクサクっと簡単に説明しますね。
研究室の選び方 : 人
教授の人柄
研究室を一つの国としたら、教授は国の王様です。
頭のおかしい王様の国では市民は虐げられるだけですよね?これは研究室でも同じことです。
基本的に教授のいう事は絶対ですから、よく見定めましょう。
特に「授業が分かりやすい」「優しそう」という印象だが、研究室では鬼の様だというのはありがちなので注意です。
博士・ポスドクの有無
博士やポスドクといった先輩がいると、教授以外からも指導してもらえる機会が増えます。
こうした先輩は長い研究生活から、確かな技術や知識を持っていることが多く、学びを得られることも多いです。加えて、歳も比較的近い場合が多いので、新人としても聞きやすい場合が多いのがメリット。
ただ、教授と同様にその人の人柄にも注意する必要がありますね。
研究室の人間関係や雰囲気
キーボードを打つ音だけが聞こえる研究室もあれば、笑い声の絶えない賑やかな研究室もあります。
ろくみん
ネコマル
ただこれは好みの分かれるところだと思います。
静かな方が良いのか、賑やかなのが良いのかは考えておくようにしましょう。
ただ少なくとも、「仲が悪く、互いに話をせず静か」というパターンは最悪なので避けるように。
友人が行くから
仲の良い人が一人いれば、とても過ごしやすいのは確かです。
なので個人的にはアリな選択肢ではないかと思います。
ただ、どちらかが研究室に入れなかったというリスクもありますので注意しましょう。
研究室の選び方 : 環境
HPの更新
この項目を見ると、研究室のHPへの注力度が分かります。
HPというのは研究室の顔であり、多くの学生や企業が見るもの。
ネコマル
HPを細かく更新しているということは、それだけ精力的に活動している証でもあります。
検索すればすぐに見ることが出来ると思いますので、忘れずにチェックしていきましょう。
とはいっても、「更新していない=あまり活動していない」とは限らないので、参考程度に留めましょうね。
コアタイム
これを気にする人も多いはず。
学生が研究室に必ずいなければいけない時間の事。
「午前10時から午後5時」や「午前9時から午後9時」など様々なパターンがあります。
中には「月曜~土曜。朝9時から午後5時。アルバイト禁止」という研究室も…
ネコマル
こういった変則的なコアタイムやルールを設けている場合もあるので、チェックは必須ですね。
また、中にはコアタイムがない研究室もあります。
この場合は自分の好きな時間で研究が出来る反面、自堕落になりやすいというデメリットもあります。そう言ったことを踏まえてよく考えてみましょう。
研究資金と研究設備
試料や実験器具・装置など、研究するにもお金がかかります。
実際、この研究資金がどれだけあるのかで研究のしやすさが段違いに変わってきます。
ネコマル
基本的にこの研究資金は教授が「科研費」という形で獲得してきます。
でも、普通の学生にはそんなことわからないですよね?
そういった場合には、以下のサイトに教授の名前を入力してみましょう。
参考 KAKEN科学研究費助成事業サービス 参考 日本の研究年度が古いものしかない場合は、研究資金が潤沢でない可能性が高いので注意です。
就活・院試勉強が出来るか
え、出来ない研究室なんてあるの?って思った方。
ろくみん
大学院に行かずに就職をする人に対して、厳しく当たるという研究室もあります。
実際、こうしたパワハラが原因のストレスで研究室に行けなくなった友人もいますので、本当に気を付けてください。
その友人は私の研究室に移籍となり、初めて来たときに「研究室ってこんなに賑やかで楽しいんだね…」とつぶやいてました。
どんだけ辛い研究室生活だったんだ…
就職するにしても院試はただでさえストレスのかかるもの。それなのに「そんなことせず、研究しろ!」と言われたら、たまったものじゃありませんよね。
これに関しては、研究室見学などで先輩方に聞くしか方法がありません。
なので、気になる研究室にはちゃんと見学に行くようにしましょう。
研究室の選び方 : キャリア
自分の興味
長時間やっていても苦にならない好きなものってありますよね。
反対に、全然続かないものもあると思います。
研究もそれと同じで、自分に興味があるものなら意外と頑張れるんです。
なので
と思ったあなたの直感は大事にしましょう。
ただ注意しなければいけないのは、必ずしも自分のやりたい研究が出来るとは限らないこと。
というより、出来ないことの方が多いかもしれません。
これについては以下の「テーマの決め方」でも説明します。
テーマの決め方
これは研究室に配属された後の話。
研究室に配属後、自分が担当するテーマを決めることになります。
ただ、これは研究室によって決め方が違います。決め方のパターンはおよそこの4通りです。
テーマの決め方
- 教授が決める
- 学生間での話し合いで決める
- じゃんけんで決める
- 成績順で決める
これによって、自分が興味あるテーマになれるかどうかの難易度が変わってきます。
行きたい研究室がどのパターンなのかは、研究室見学などの際に忘れずに聞きましょう。
就職実績と進路
その研究室の先輩がどういった業界に就職しているのかはよく見ておきましょう。
なぜなら、数年後には自分もそういった業界を受ける可能性が高いから!
やはり研究室のテーマと近い企業は面接でも話しやすいですし、内定をもらいやすいです。
また先輩方から直接話を聞けますし、企業側からも
と認知してもらいやすいです。
なので「就活はまだ先だから…」という方も、ある程度は考えておくことがおすすめです。
タイプ診断Q&A
ここからは上記で示した各項目の優先度を決めていきます。
そのために、2問ほど簡単な質問を用意したので、少し考えてみてください。
就職して卒業するのか?それとも大学院に進学するのか?
まず最初の分かれ道は「就職」か「進学」かの二択です。
就職なら学部四年生の1年間のみ。進学するなら、最低でも3年間を研究室で過ごすことになります。いる年数が違えば、当然各項目の優先度も変わってきます。
ろくみん
研究室の過ごし方は?楽したい?実力をつけたい?
研究室をどう過ごしたいのかは人によって違います。となればもちろん、それぞれの人が優先する項目も違います。
別にどちらが良いかという事はないので、好きな方を選びましょう。
ネコマル
あなたの基準はこれだ!
これらの解答を基に、4つのタイプに分類してみました。
自分はどのタイプだったでしょうか。
これからはそれぞれのタイプ別に、研究室の選び方の優先度を紹介していきます。
コスパ重視タイプ : 就職×楽したい
楽をしたいなら、教授の人柄が良いことが必須です!
ココが駄目だと基本的にブラックになるので、気をつけましょう。
また、「就活が出来るかどうか」も忘れずに見ておいてくださいね。
ネコマル
次に見るべきはズバリ「研究室の忙しさ」「人間関係」「興味」です!
いくら楽な研究室ですぐに卒業するといっても、人間関係ドロドロだとしんどいですからね。ここはちゃんと見ておきたいところです。中には学生同士だけでなく、教授と准教授・助教授同士の仲が悪い場合もあります。こういう場合は研究室の雰囲気が最悪なので、避けた方が無難かなと思います。
後は自分の興味も大切にしましょう。いくら楽な研究室でも全く興味ないものを続けると非常に辛いです。
ろくみん
学部四年の一年間だけ研究室にいても、研究者としてのスキルが身に付くかと言われると微妙です。そう考えるとこの選択が一番コスパがいいのかな?と思います。
経験重視タイプ : 就職×実力をつけたい
ここでも上位2つは変わらずです。
教授の人柄一つで研究室の良し悪しが決まると言っても過言ではありません。
何よりも最優先でチェックすることをお勧めします。
またこのタイプの人は、自分のやってみたい研究で選ぶことをオススメします。
研究室は学校でも会社でもない特殊な環境です。そのような環境で得られる経験は、人生においてプラスに働くことが多く、良い人生経験になると思います。実際私もそうでしたし、研究室の経験が今の自分を作っていると確信しています。もちろん大学院に行かない分、もらえる経験値は少ないとは思います。しかし貴重な経験であることは確かですので、挑戦してみるのもいいと思います。
ろくみん
就活関連の項目は最下位にしました。
学部で卒業する場合、所属する研究室の違いで就活に影響が出ることはほとんどありません。
なので、簡単にチェックする程度で良いです。なんなら見なくても大丈夫です。
学位重視タイプ : 進学×楽したい
ネコマル
上位二つは言わずもがな。学位重視タイプの人は「コアタイム」「ゼミの頻度の比重」をよくチェックしましょう。これらは研究室によって天と地ほど差が出る項目です。のんびり大学院ライフをしたいのなら必須ですよ!
このタイプを選ぶ人の大半は修士で卒業すると思いますので、やはり就活はしっかり出来る研究室を選ぶべきでしょう。特に長期インターンシップに行けるか?などの項目も合わせて確認すると、後から後悔することも少なくなると思います。
また、大学院まで行くと就職先は研究室の分野に沿ったところに行くことが多くなります。
なので卒業生の進路を見て、未来の自分をイメージしながら選ぶことも大切ですよ!
ろくみん
よほど研究したい人でなければ、研究に関する項目はこれくらいの優先度で良いでしょう。
そんなものを気にするくらいなら、自分の興味を優先した方が今後も有意義に過ごせることは間違いありません。
キャリア重視タイプ : 進学×研究したい
大学院で実力をつけたいと考えている人は、やってみたい研究がある場合が多いのではないでしょうか?そういった人は自分の興味を優先すべきでしょう。興味のある研究を出来るのは今だけですからね。
研究してどんどん論文を書きたいというような人は、研究室の資金や設備もよく見ておきましょう。やっぱりお金が無いと研究は出来ませんし、設備が古ければそれだけ研究も進みません。
効率よく結果を出していきたいならこれらの項目も大切ではないかと思います。
あとはゼミや博士・ポスドクの有無を確認して、学びの場がどれだけあるかも気にするといいかもしれません。
修士で卒業するならまだしも、博士後期課程に進むなら就活に関しては気にしなくても良いのでは?と思います。そもそも博士の全員が企業に就職するわけでもないですし、就職先も研究に関するところが多くなります。なので自分の好きな研究をしていれば、好きな研究の分野に就職できる確率も高いので優先度は低いかなと思います。
ただ、修士で卒業して就職を考えている人は優先度が高くなるので注意ですよ!
まとめ
それでは今回の内容を簡単に復習しておきましょう。
- 自分の興味
- HPの更新
- コアタイム
- 研究資金と研究設備
- 研究実績
- 就職実績がテーマとの関係
- 教授の人柄
- 博士・ポスドクの有無
- グループの人間関係
- 卒業生の進路
- 友人が行くから
- ゼミの頻度と比重
- 就活・院試験勉強が出来るか
この記事で紹介した内容をチェックすれば、研究室選びで失敗する確率は大きく減るはずです。
研究室選びは一度きり!
自分が何を優先すべきなのかを落ち着いて考えるのをオススメします。
そして悔いのない研究室選びをして、有意義な研究室ライフを送りましょう!
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